大学生活で自分の強みをつくる 森川友義著『改訂版 大学4年間で絶対やっておくべきこと-なんとなく卒業しないための50のルール-』

 今回は早稲田大学教授である森川友義氏の『改訂版 大学4年間で絶対やっておくべきこと なんとなく卒業しないための50のルール』を読んだので紹介したいと思います!

 

 普段僕は小説を読むのが好きなので、このようなタイプの本はあまり読みません。コロナの流行の兆しが見えてきたころ、ブックオフに立ち寄っていろいろな本をまとめ買いしました。その際、ふと目に留まって買った本の一つです。僕はこの4月で2年になりますが、なんとなくこのままじゃだめだという漠然とした思いを抱えていたのが気になった要因かもしれません。

 

この本はルール1からルール50までの考えるべきこと、学ぶべきことについて書かれています。そして、それらは1人生編、2恋愛編、3実践編の3つに分かれています。以下ではそれぞれの編に沿って紹介していきたいと思います。

 

 

【1】人生編

 まずは人生編です。この章では人生の中での大学生活の位置づけについて考え、その後具体的にどのような行動をすべきなのかについて書かれています。様々なことが書かれていますが、多くは人生の重大な岐路である就職活動に向けてどのようなことを考え、どのようなことをすべきなのかということについて書かれていました。

 ここで強調されていたこととして、「自分の売りをつくる」ことの大切さが挙げられます。サークルやアルバイト、さらには体育会の部活というだけでは売りとして弱く、ライバルと差別化は図れないと著者は言います。できれば自分の専攻分野と絡めて面白みのあるテーマを設定し、行動することが自分の「強み」となります。本の中では英語の勉強を頑張って(TOEFL100点超)海外に留学して自分の専攻について学び、海外でインターンシップをしたという学生の例が2つほど紹介されていました。シンプルに尊敬できますが、皆が皆できるものでもないと思います(笑)。大切なのは自分が設定した目標を達成するために必要な行動をしているかどうかだと思います。実際、例として挙げられていた学生は外資系IT企業や商社に就職しています。そう考えると上記の学生達は自分の目標とする就職先への「自分の売り」をうまく作ることができたといえます。

 この他にもアルバイトについてや、友達についてなどテーマは多岐にわたっており大学生活を送るうえで有効なアドバイスとなっています。

 

【2】恋愛編

 恋愛編ではまず恋愛を科学的に考え、男女の考え方の違いを分析するところから始まります。正直この時点ではテーマが恋愛であるにも関わらず、少し硬い内容となっています(笑)。しかし、それがその後の具体的にどんなことを実行すればいいかの部分に信憑性が増す要因となっています。この編では男女の恋愛に対する思考を学び、相手が求めるものに自分を近づけていく方法を知ることができます。今までこのような恋愛に対する本というのは読んだことがなかったので新鮮でした。

 

【3】実践編

 最後の実践編では人生、恋愛に通ずる普遍的なルールとして実践してほしいものが挙げられています。この編は特に自己啓発チックだなという印象を受けました。ただ、ここでもあくまで大学生に向けたものが書かれているので、有名なビジネスマン向けの自己啓発書よりも身近に感じることができると思います。

 人生編でも述べましたが自分の「売り」をつくることは恋愛においても必要となります。就活市場という言葉は耳にしますが、著者は恋愛も恋愛市場というものを想定し、自分の商品価値を高める努力をすることが必要と述べています。この自分の商品価値を高めるという思考をもって大学生活を送ってほしいということが著者が最も伝えたいメッセージであると感じました。

 

【4】まとめ

 ここまで説明したこと以外にもいろいろなテーマについて書かれており、また、自分で読むことによって深い理解が得られると思います。非常に読みやすかったので気になった方はぜひ読んでみてください。

 著者は本書の中でこの本を新1年生向け、新2年でぎりぎりと書いていましたが、読んでみてむしろ自分と同じ新2年生が読むのが個人的におすすめだなと感じました。新1年生は皆ある程度モチベーションが高い状態にあると思います。対して新2年生は大学生活やサークル、バイトなどにも慣れてきて所謂中だるみの状態に陥りがちなのではないかと思います。そこでもう一度大学生活について深く考え、有意義なものにしていくことが良いのではないでしょうか。